翡翠(ヒスイ)って何ですか?
宝石として知られる翡翠ですが、鉱物学ではヒスイ輝石に分類されます。
ヒスイ輝石は本来は無色または白色なのですが、
エメラルドグリーンに透き通った部分が見つけられることがあります。
そこが一般によく知られている緑色の宝石翡翠になります。
その部分は実はオンファス輝石という
ヒスイ輝石とは別の組成を持った鉱物なのだそうです。緑色の着色原因は微量のクロム(Cr)の混入によるものと考えられて来ましたが、
最近の研究では鉄(Fe)が着色原因になっているそうです。白いだけのヒスイでも、貴石、半貴石としての価値はあります。
さらに含有する不純物の違いによって色はさまざまに変化します。
色の違うヒスイを見つけるのもヒスイ探しの楽しみの一つです。
宝石の翡翠が海岸で拾えるのですか?
私達素人が宝石になるような翡翠を見つけるのは、残念ながら無理と考えてください。
地元の人は毎日のように、日に何度も海岸を見まわっています。
それでも宝石になるような翡翠が見つけられるのは。数年に1度くらいだそうです。
でも、鉱物としてのヒスイ輝石だったら頑張って探せば見つかる可能性は高いです。
私が見つけられたのは翡翠の原石にもならないようなヒスイ小石がほとんどですが、これでも十分綺麗ですよ。
どこに行けばヒスイが拾えるの?
新潟県と富山県の県境に近い海岸で、
海岸に小石が打ち上げられているところなら
どこでもヒスイを拾える可能性があります。
具体的には東から西へ、
新潟県糸魚川市(大和川海水浴場、糸魚川海水浴場)、
青海町(ラベンダービーチ、親不知ピアパーク、天険海岸、市振海水浴場)、
富山県朝日町(越中海岸・宮崎境海岸)
などが有名で、いずれもヒスイ海岸と呼ばれています。お薦めの場所ですか?
自動車で行くなら、親不知ピアパークが便利です。
道の駅みたいになっていて、無料駐車場、レストラン、トイレも完備してあり、ヒスイふるさと館という無料の展示館もあります。
階段を降りればすぐ海です。
でも、何度も行っているわりには、なぜかここではまだヒスイを拾えていないんです。
電車で行くなら、糸魚川駅だけが特急の停まる駅ですが、正面の海には降りられません。
押上の海岸までは歩いて20分くらいかかります。
それよりも越中宮崎駅がいいでしょう。
海岸も近いし、ヒスイ屋さんもあります。
実は私、越中宮崎海岸ともあまり相性が良くないみたいなんですけど・・・。
どうしてこの地域だけヒスイが採れるの?
糸魚川市の姫川上流の小滝川、青海町の青海川上流の橋立ヒスイ峡などには巨大なヒスイ原石があります。
おそらくこの地域から土砂崩れなどで流れ出たヒスイ原石が砕かれ、川を下って海に散らばり、近くの海岸に流れ着くものと考えられています。
海岸によって採れるヒスイは違いますか?
海岸はいつも同じではありません。
打ち寄せる波の状態によって、海岸の様子は一変してしまいます。
ですからいつもこうだとは言えませんが、
テトラポッドや護岸壁のある海岸では比較的小石が多く、ない場所では石が大きくなります。
姫川・青海川河口付近では、白色・緑色のヒスイが採れやすく、周辺ほどいろいろな色のヒスイが見つかる傾向があるようです。
越中宮崎海岸で宝石質のヒスイが採れやすいのは、海岸の沖にヒスイ原石の脈があるからではないかとも言われています。
ラベンダービーチに行けばラベンダーヒスイが見つかり易そうな気がしますが、特にラベンダーヒスイが多いということはないようです。
ヒスイにはどんな色がありますか?
ヒスイ輝石に含まれる不純物によって様々な色のヒスイになります。
だいたい多い順から、白(灰)>緑>紫>青>黒  などです。
でも、それは私が白や緑の石を目印に探しているせいかも知れません。
白や緑は他に類似石が多く、慣れないと見分けるのは難しいです。
紫や青は独特の色合いをしていて、見分けるのはむしろ容易な場合が多いようです。
青は少ないと言われますが、私はむしろ紫よりも多く見つけています。
翡翠の代表的な産地であるミャンマーでは赤やオレンジ、黄色のものもあるそうですが、ヒスイ海岸では見つからないようです。
白地に一部ピンクや黄色が乗ったものは見つかることがあります。
俗にピンクヒスイと呼ばれるものですが、これはヒスイ輝石でもオンファス輝石でもなく、斜灰れん石や桃れん石という別の鉱物だそうです。
ヒスイの見つけ方を教えてください。
地元のヒスイ採りの達人に教えていただきました。

あまり波が荒れているときより、
荒れがおさまって潮が引いてきたときの方がいいそうです。
時間帯は朝か夕方の日光が横から差し込むときが
見つけやすいそうです。
水面の下に光っている石を見つけて拾うといいそうです。
色は何でも構わないからとにかく光っている石を探すこと。
ただし、真っ白く光っている石は火打石(石英)で、
だめなことが多いそうです。

そうはいっても、私達はそんないいタイミングで出かけることは難しいです。
もっと普通の探し方も紹介しましょう。

波打ち際を歩いていって、
白や緑色で光をよく反射している石をさがします。
全体的に乳白色で一部緑色で透き通るような部分があるものが理想的ですが、
そんな良質のものはめったに見つかりません。
手に取ってみて、あまり丸まっていなくて少し重い感じがして、
平らな面があって、平らな面を指でこするとすべすべする石があったら、
もしかしたらヒスイかもしれません。
または表面に微細な結晶が付いてキラキラしているものもあります。
そんな石を見つけたらキープしておきましょう。
手に持っているうちにだんだん乾いてきますが、
それでも表面が粉っぽく白くなってしまわなかったら、
さらにヒスイの可能性が高いです。

どのくらい探したらヒスイを見つけられますか?
うーん、とっても難しい質問です。
運次第ともいえますが、それでは答えになりませんね。
ちょっと考えてみましょう。
誰もがヒスイと認めてくれるような、大きさと品質のあるヒスイのことですよ。まず、海岸の小石全体の中でどのくらいヒスイは含まれているのでしょうか?
もちろん多いときも少ないときもありますが、平均で考えてみましょう。えーと、1,000個に1個くらいかな?
甘い甘い。

それじゃあ、10,000個に1個くらいですか?
まだまだ。

えー、それじゃあ、100,000個に1個くらいしかないの?
ええ、多分そのくらいだと思います。

どうしてそうなるか計算してみましょう。
私は視力も脚力もちょっと自信があります。
それに、なんといってもヒスイの小石を見つけ慣れています。
だから、だいたい1秒に10個くらいの小石を判別できると思っています。
1秒に10個なら、1分で600個、1時間なら36,000個の石を
見ていることになります。
3時間でようやく10万個。これでなんとかヒスイが見つかります。
もし、1秒に100個の石を見分ける達人がいたら、きっと1時間のうちに数個は見つけてしまうかもしれませんが、多分それが人間の限界でしょう。。
でも初心者なら、せいぜい1秒に1個しか石を見分けられないかもしれません。
そうすると、3時間でも1万個。
これではよほど運が良くてやっとヒスイを見つけられるレベルなんです。
確実に見つけるにはその10倍の時間が必要でしょう。
とてもそんなに根気も続かないでしょう。
これが、一般の観光客ではなかなかヒスイを見つけられない理由なのです。

ただし、うんと小さいヒスイ、あまり質のよくないヒスイなら、もっとあるのも事実です。
ともかく、あきらめずに探すことが一番でしょう。

ヒスイの見分け方を教えてください。ヒスイを簡単に見分ける方法というのは、残念ながらないようです。
叩いてみるとか、暖めてみる、なんていうにも確実ではありません。
正確な鑑定は機器分析でないと出来ないのです。
それでも、見なれてくると、だいたいヒスイかどうかは
分かるようになってくるので、その方法を紹介しましょう。地元の人は、何よりもヒスイの質感を重視しているようです。
手に取ったときしっとりと重い感じがして、どことなく気品があり、
内部からにじみ出ているような色合いといったらいいでしょうか。
この感じはヒスイ原石をいつも手にしていると
だんだん分かってくるそうです。もっと具体的には、次の10ポイントをチェックしましょう。

    1. 丸く磨り減ってはいなくて、小さくても角張っています。平面がいくつかあり、平面と平面が接する縁はしっかりしています。
    2. 平らな面を指でこするとすべすべします。
    3. 肉眼では判り難い場合もありますが、ルーペで見ると石の表面にヒスイの細かい結晶があって、光でキラキラします。結構これは決め手になります。
    4. 白い地に緑色の染みがあったり、表面はやや透き通る感じがありどことなく気品のある色合いをしています。
    5. 手に取ると重い感じがします。(比重 3.2~3.5ですが、誤差もあるので3以上なら可能性大です。)
    6. 乾いたときでも表面が粉っぽく白くなったりはしません。
    7. ナイフでキズをつけようとしても、キズがつきません。(ヒスイの硬度は6.5~7、ナイフの硬度は5.5くらいです。)
    8. 普通、透き通ってはいませんが、暗い部屋でペンライトなどの光を当てると、良質なものは光を通します。(これを亜透明であるといいます。)
    9. 塩酸をかけても泡は出ません。
    10. 紙やすりなどで磨いたとき、そう簡単には磨けませんが、根気良く磨いていると、ヒスイらしいしっとりした光沢 (樹脂光沢といいます)が出てきます。 磨いたときにでる粉(これを条痕色といいます。)は白色です。ただ、磨いてしまうと表面の細かい結晶は取れてしまうので、後で誰かに鑑定してもらうつもりなら、磨かないでおいた方がいいでしょう。
    11. 暗室で紫外線(ミネラライト)を当てても、蛍光は出ません。(海外のヒスイでは、ごくまれに蛍光を発するのもあるそうです。)

海岸で1~6まで、家で7~11までチェックしてみましょう。
1~8までは例外もあるので総合的に判断しましょう。

あとは、間違えやすいキツネ石と違うことが確認できれば、きっとヒスイです。

キツネ石って何ですか?キツネ石という石がある訳ではありません。
ヒスイと間違えてしまう石のことを総称してキツネ石といいます。
ヒスイと間違えやすい石には、
白色の石英(瑪瑙)、曹長岩、沸石、斜灰れん石など、
緑色の軟玉ヒスイ(透閃石~緑閃石)、緑石英、透輝石、緑色凝灰岩、蛇紋岩など、
灰色の流紋岩(ガラス質)、石灰岩などがあります。石英はとても多い岩石で、色も形も多様性に富んでいるためとても間違えやすい石です。
硬質で角張っています。
ただ比重が2.7とヒスイに較べてやや軽いのと、表面が荒れ易いのが特徴です。
乾燥すると表面が白っぽく粉っぽくなったりします。
割れ易く、割れ口がはっきりしているものもあります。
ヒスイより透明度が高く、暗室で光を当てると全体が光り易いのが特徴です。
透明感が高く、縞模様のある瑪瑙(玉髄)もあります。
瑪瑙には紫外線を当てると蛍光を発するものがあります。沸石は結晶が大きく粗く、よく磨耗しています。
加熱すると結晶水が沸騰するそうです。

軟玉ヒスイ(透閃石~緑閃石)も間違えやすい鉱物です。
かくせん石の仲間で透明度の高いのが透閃石、緑色の濃いのが緑閃石になります。
両方合わせて透緑閃石ともいいます。
深緑色でやや透き通り、角が丸まっているのが特徴です。
平板状の石でも平面にならずなだらかな丸みを帯びていることが多いです。
薄緑色、青緑色、青色のものもありますが、白っぽいものは少ないようです。
比重は3以上あることが多いため、比重では確認できません。
海水で濡れているときに表面をこするとぬるぬるします。
ヒスイよりも脂ぎった感じがして、地元の人はアブラ石と呼んでいます。
磨いたときに出る粉が着色している場合が多いようです。

蛇紋岩は蛇の皮のような外観をした石です。これもやや脂ぎった感じがします。蛇紋石は蛇紋岩に含まれる石で、緑色澄明だったりして、これもヒスイと間違えやすいですが、比重が2.6程度と軽く、硬度も4以下と柔らかいため、ナイフで傷が付き、紙やすりで磨くと表面がざらざらに成り易いです。

緑色凝灰岩は、ルーペで拡大して見ると、細かい粉の集まりであることが分かります。

石灰岩は塩酸をかけると発泡します。

この地域の透輝石は表面が薄緑色で透き通っていて、他の鉱物と共存しロディン岩と呼ばれる岩石の構成鉱物になっています。
輝石類はいずれも比重が3以上あるため、比重測定ではヒスイとの区別は困難です。

斜灰れん石には全体が白色で一部が緑色になっている石もあり、ヒスイと間違えやすいです。
赤みを帯びる場合もあり、一般にピンクヒスイと思われているのは、実はこの石です。
比重もヒスイと同程度ですが、ヒスイよりも壊れやすく、またヒスイのような澄んだ色にはなりにくいようです。

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