管理人さんはヒスイを見てくれないの?
私がヒスイを見分けるのですか?
見てもいいですけど、あまりあてにはなりませんよ。
もし、海岸で私を見つけたら遠慮なく声をかけてください。
分かる範囲でお手持ちの石を評価することはできると思います。
でも気をつけてください。
いいヒスイだったらこっそりポケットに入れてしまうかも知れませんよ。私のところに石を郵送するのはやめてくださいね。
ヒスイかどうかにかかわらず全部没収してしまいますよ。
写真を送っていただいても、返却は出来ません。

他にどんな石がとれますか?ヒスイ海岸では、ヒスイ以外にもいろいろな石が見つけられます。
実際、ファッサマグマを流れる姫川のおかげで、
ヒスイ海岸は石の宝庫でもあるのです。
キツネ石のところでも書きましたが、石英系の石がやはり多いです。
メノウ、玉髄、チャートなどもよく見つかります。
赤いチャートは、佐渡から来た赤玉石なのでしょうか。
佐渡の海岸には、銀黒と呼ばれる金を含む石英があり、
ヒスイ海岸でも似たような石英も見つかります。
もしかしたら、金が入っているかも知れません。
私は見つけたことがありませんが、コランダムという、
ルビーやサファイヤの仲間の鉱物を見つけている人もいます。
軟玉ヒスイは緑の濃いもの、薄いもの、青いものも見つけられるでしょう。
その他、姫川薬石と呼ばれる薬石もあります。
海岸ではないですが、青海川の上流は石灰岩地帯で、
ウミユリや腕足類、コケムシなど、
古生代の化石をよく見つけることができます。季節は、いつがいいですか?やはり探しやすいのは、春か秋でしょう。
とくに春先と秋の台風の通り過ぎた後は狙い目です。冬の日本海は季節風により波が荒いことが多く、
海岸の小石も流されて、ほとんど砂浜のようになっていることもあります。
天候も吹雪になったりし易いため、大物が狙える時期ではありますが、
無理は禁物です。
波頭が白く砕け、そこに虹がかかっているようなときは
すぐに引き上げた方がいいでしょう。
そんなときはテトラポッドのある海岸の方が探し易いでしょう。

春は雪解け水が川に流れこみ、川の石を海岸に運んで来てくれます。
天候も穏やかで。のんびり1日探すにはいい時期です。
海岸は海から吹いてくる風で、花粉症の人も楽です。

夏は海水浴客が多く、自動車の置き場にも困るようになります。
日中は陽射しが強く暑いため、朝か夕方がいいでしょう。
泳ぎながら探してみるのも楽しいかもしれませんが、
日焼けには気をつけてください。
快晴が続く夏は、ほとんど石が入れ替わらないため、
後半ほどヒスイ探しは難しくなってきます。

秋になると海水浴客もいなくなり、ヒスイ探しにいい季節となります。
ただ、日が暮れるのも早くなります。
くれぐれも帰り道に事故など起こさないようにお願いします。

ヒスイの博物館はありますか。糸魚川市には、フォッサマグナミュージアムという鉱物博物館があります。
単にヒスイを展示しているだけでなく、研究を続けていて、
ヒスイから次々と新鉱物を発見しています。
売店にはヒスイ原石も販売してあり、
直接手で触って感触や重さを実感することができます。
ただ、海のヒスイでなく、川のヒスイ原石が多いようです。
始めてヒスイ探しに挑戦する人は、
まずここで勉強してから行くといいでしょう。
ヒスイ見本として一つ購入するのもいいでしょう。
また、駐車場脇には青海町から運ばれた石灰岩が
何トンも広げられており、受付でお願いすると割らせてもらえて、
ウミユリなどの化石を見つけることもできるようです。
場所は少し分かりにくいですが、美山公園内にあり、
標識に従って行けば、きっと辿り着けるでしょう。
また、翡翠園という岩石庭園では、
ヒスイ加工品の展示販売もしています。青海町には、青海町自然史博物館(きらら青海)が、
青海町役場の正面にあります。
ここもヒスイと石灰岩化石、日本の岩石などが展示してあります。
展示方法を工夫するともっと良くなると思うのですが、ここもお薦めです。
受付にある海で採れたヒスイ小石は、
直接手で触れませんが、参考になります。

また、親不知ピアパークには翡翠ふるさと館があり、
巨大なヒスイ原石に触れます。

富山県側の朝日町には、なないろ館があり、
ここでもヒスイ原石が展示されています。

時間があれば、是非立ち寄ってみるといいでしょう。

軟玉ヒスイはヒスイじゃないの?鉱物学的にヒスイと言えるのは、ヒスイ輝石とオンファス輝石だけです。
その意味で、軟玉ヒスイ(nephrite)はヒスイとは言えません。
でも、歴史的には、本ひすいである硬玉(jedeite)も、軟玉ヒスイも
同じく翡翠として取り扱われていました。
硬玉と軟玉が違う鉱物だと分かったのは19世紀中ごろなのです。
古代中国では、玉といえば主に軟玉ヒスイのことを指していました。
もともと翡翠というのは、緑の羽根が美しい野鳥の翡翠(かわせみ)のことで、
かわせみのように緑の美しい石を翠玉、
つまり翡翠と呼んでいたようです。
そんな訳で、軟玉もヒスイでないとも言いきれないのです。
今でも○○ヒスイと名づけて、本ヒスイでないヒスイが売られています。
印度ヒスイ、台湾ヒスイなど、○○に地名が入ったヒスイは、
たいていヒスイ輝石ではない、緑色のヒスイ?です。
一方、ラベンダーヒスイ、コバルトヒスイなど、
○○に色を表す名称の入ったヒスイは、本ヒスイの場合が多いようです。姫川薬石って何?薬石と呼ばれる石には、有名なもので麦飯石とか、医王石とかあります。
これらの石は岩石分類では、花崗斑岩になるようです。
糸魚川地方でも薬石と言われる石が採れ、海岸でも見つかります。
湯呑茶碗などに加工しておみやげ品として販売されています。
岩石分類としては、麦飯石などより構成鉱物の粒が細かく、
流紋岩質ではないかと私は思っています。
さて、薬効ですが、ごめんなさい。私には分かりません。まあ一般的には、有害物を吸着しミネラル分を補給してくれて、
お茶がおいしくなるとか、
お風呂に入れると身体が良く温まるというらしいのですが、
これは興味ある人は、ご自分で試してみられるしかないでしょう。

!!薬石と放射性鉱物、コランダムに関してFMMの学芸員さんからコメントをいただきました。
ここに掲載させていただきます。

岩石名:流紋岩質凝灰岩
時代:新生代古第三紀
備考:
茶色の縞模様は熱水中から周期的に沈殿した水酸化第二鉄による。
若干の吸着作用あり(粘土鉱物化した長石による)。
見た目の美しさ(器は使い込むといい感じになります)
放射線を出すかどうか→普通の花崗岩と同程度(もちろん人体に影響なし)

■糸魚川で見つかっている放射性元素を含む鉱物
ラベンダーひすい(淡紫色ひすい輝石岩)から希土類元素を含む緑れん石族鉱物である褐簾石が見つかっています。
ラベンダーひすい、青色ひすいに含まれる蓮華石にも希土類元素が含まれています。
ひすいに含まれるジルコンにもごく少量のウランが含まれています。
いずれもごく少量なので人体への影響はありません。

■糸魚川・青海地域のコランダム
第三系の熱水変質によって生じたものではなく、蛇紋岩メランジュ中での変成作用の産物だと考えています。
理由:
クロムスピネルの存在。
ストロンチウム鉱物(ストロナルシ石)の存在。
第三系のない小滝川でコランダム含有角閃岩が発見されている。

川のヒスイの見つけ方は?前にも書きましたが、
私はまだ川ではこれはというものを見つけてはいません。
ですからここに書けるのは、人に聞いたり調べたりしたことで、
実際に自分で見つけたことではないです。それをご承知おきください。川が増水するのは、春の雪解け、梅雨どき・台風の集中豪雨のときで、
このときにヒスイがよく川を流れ下るそうです。
ですから狙い目はこの増水が収まって、水量が減ってきたときです。
川のヒスイは海岸のヒスイと違って、表面が風化している場合が多く、
見つけるのはずっと難しいようです。
風化した表面は白っぽく、または淡褐色になったりしていて、
緑色が見えていてもちっとも美しくないことが多いです。
それでも、角張った形とか、わずかな緑色とかを手がかりに、
ともかく持ってみることです。
ヒスイは普通の石の石英などより比重で2割程度重いだけですが、
持ち比べてみた実感では、2~3倍重いような感じがするといいます。
ヒスイは水中でも重く感じます。
あとは、紙やすりを持っていれば、その場で一部を磨いてみて、
光沢が出てくるかどうか確認するといいでしょう。河川工事で見つかったヒスイはどうなるの?これは私が高校生のときに地学の先生から聞いた話です。
私が自分で確認したことではありませんが。姫川ではよく土砂崩れなどが発生し、そのため災害復旧工事や、
河川改修工事が行われます。
そのときヒスイが見つかったらどうなるのでしょうか。
工事業者が工事を請け負うときには、
もしヒスイを発見した場合には、国(または県)のものになるということが、
契約書に明記されているそうです。
そして、内緒で持ち帰ってしまう人がいないように、
見張りの人もついているそうです。
でも、実際に工事でヒスイが見つかったという話は聞きません。
何故かと言うと、工事でヒスイを見つけた人は、
すぐにヒスイを石の中に隠してしまうのです。
そして、工事がお休みの日、見張り役の人がいない日に
こっそり持ち帰ってヒスイ屋さんに売ってしまうのです。
それで家を建てた人がいるとかいないとか。
確かに家が建てられるくらいのヒスイなら、
仲間内で内緒で山分けしたとしてもかなりの金額になります。
それが工事でヒスイが見つからない理由だというのです。ヒスイと海流の関係は?昔、社会の時間に習いましたね。
東(北)の海からは親潮という寒流が、
西(南)の海からは黒潮という暖流が流れて来ています。
日本海側では、寒流は千島海流、暖流は対馬海流です。
ヒスイ海岸の沖あたりは、暖流と寒流がぶつかりあって、
良い漁場になっているということです。
ヒスイはどちらの海流の影響を強く受けるのでしょうか。
寒流の影響を受ければヒスイは西に、暖流の影響を受ければ、
ヒスイは東に流れていくことになります。
暖流は温かく軽いため海面付近を流れ、海上からも見つけやすいです。
寒流は冷たく重いため海底付近を流れ、海上からは見つけにくいです。
ヒスイは重く、海底に沈みやすいため、
どちらかというと寒流の影響を強く受けやすそうです。
そのためか、ヒスイ海岸は姫川より東側よりも西側へ長く伸びており、
本によっては姫川より西側でしかヒスイは採取できないと
書いてあるものもあります。
しかし、実際には東側でもヒスイは拾えます。
私が拾ったヒスイの大部分は姫川より東側の海岸で採取したものです。
海流はかなり蛇行していていつも同じではありません。
そのときによって海岸付近は暖流の影響を強く受けたり、
寒流の影響が強かったりすると考えられます。
また台風、季節風によって波が高い場合も
海流よりも強く海岸の石を押し流します。
大きく重たい石は西に流れやすく、
小石は両側に流れやすいのかもしれません。
そんなこともあって、全体としてはヒスイは西に流れやすくても、
一部は東側にも流れており、
この近辺で海岸に小石が打ち寄せられている浜辺はすべて
ヒスイが拾える可能性のあるヒスイ海岸になっているのでしょう。海に潜ってヒスイは採れますか?採れます。
地元のヒスイ屋さんで、潜ってヒスイを探すのを得意にしている人もいます。
波打ち際にある小石は、沖の方まで続いています。
潜りが得意なら、ヒスイが陸に打ち上げられるのを待つよりも、
自分から海中に入っていった方が手っ取り早いと考える人もいるでしょう。
近頃は、海岸にテトラポッドを置くことが多くなり、
以前よりいいヒスイが上がらなくなったという人もいます。
海中でテトラポッドに挟まったヒスイを採ったりもするそうです。
私も夏に陸側で見つからない場合は、少し潜って探してみたりします。
そう簡単に見つかるものではありませんが、実際に見つけたこともあります。
ただ、潜ったからといって。海岸より見つかる確率が高いとはいえません。
むしろ、見つけにくくなるといっていいかもしれません。
海中では石の色が変わります。黄色っぽい石まで白く見えてしまいます。
緑の石はあまり目立たなくなります。光り方も違ってきます。
狙った石が拾えずに、隣の石を拾ってしまったりします。
波で動く石がぶつかってきて結構痛かったりします。
少し沖に出ると石には藻がついて見分けづらいものばかりです。
潜り慣れた人でないと難しいでしょう。

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